マイナンバー「自動バレ説」は本当?
副業を始めようとしたとき、「マイナンバーで会社にバレるんじゃ…」と不安になった方は多いのではないでしょうか。SNSやネット上では「マイナンバー導入で副業は全部筒抜けになる」という情報が広まっていますが、実はこれには少し誤解があります。
マイナンバーは、税務署や自治体が個人の所得情報を紐づけ・管理するために使われる番号です。副業の収入もマイナンバーを通じて税務署に把握されますが、だからといってマイナンバーが会社に副業の情報を「自動送信」する仕組みにはなっていません。副業が会社に知られるルートは、もう少し別のところにあります。
副業バレの本当の原因は「住民税」にあった
副業が会社に知られる主な原因は、住民税(じゅうみんぜい)の徴収の仕組みにあります。住民税とは、住んでいる都道府県や市区町村に納める税金のことです。
給与で働いている人の多くは「特別徴収(とくべつちょうしゅう)」という方法で、会社が毎月の給与から天引きし、まとめて自治体に納めています。これが問題の種になります。
副業収入がある場合、確定申告(かくていしんこく=1年間の収入・支出をまとめて税務署に申告する手続き)をすると、市区町村はあなたの「全ての収入」をもとに住民税額を再計算します。そして計算結果を勤務先の会社に通知します。会社の経理担当者が「例年より住民税額が増えている」と気づいたとき、副収入の存在が発覚するというわけです。
【図】住民税の納付方法による副業バレリスクの違い
※ 上記はイメージ図です。実際の税務処理は市区町村や状況によって異なります。
確定申告で「普通徴収」を選べばリスクを下げられる
副業分の住民税が会社に伝わるリスクを下げる方法として、確定申告の際に「普通徴収(ふつうちょうしゅう)」を選ぶという対策があります。普通徴収を選ぶと、副業分の住民税だけ自宅に納付書が届き、自分で納付する形になるため、会社への通知に副業分が含まれるリスクを下げることができます。
具体的には、確定申告書(第二表)の「給与所得以外の住民税の徴収方法の選択」という欄で「自分で納付」にチェックを入れましょう。この操作だけで、副業分の住民税が本業の会社を経由しない流れを作ることができます。
それでも完全に防げないケースとは
普通徴収を選んでも、副業が会社に知られる可能性がゼロになるわけではありません。正直なところを整理すると、以下のようなケースがあります。
- 自治体の処理方法による:市区町村によっては、事務処理の都合上、副業分も会社への特別徴収にまとめてしまうことがある
- 住民税の変動で気づかれる:本業の給与は変わっていないのに住民税の総額が増えると、経理担当者が疑問に思う可能性がある
- 副業の規模が大きい場合:収入が一定規模以上になると、健康保険料の変動など別の書類で発覚するリスクもある
- 会社の副業禁止規定:税金の話とは別に、就業規則に副業禁止の規定がある場合は規則違反となる可能性がある
副業を始める前に、まず自分の会社のルールと、副業の規模感を把握しておくことが大切です。不安が大きい場合は、税理士や税務署の無料相談窓口に確認することをおすすめします。
今日から始める一歩
まず、自分の会社の就業規則または雇用契約書を確認して、副業に関する記載があるかチェックしましょう。 副業OKであれば、確定申告の際に「普通徴収(自分で納付)」を選ぶことを覚えておくだけで、バレるリスクを大きく減らせます。確定申告書の書き方に不安があれば、税務署の無料相談窓口や、ファイナンシャルプランナー(お金の専門家)への相談もぜひ活用してみてください。