「投資って、結局損するんじゃないの?」——そう思って、一歩踏み出せずにいませんか?「元本割れ」という言葉を耳にして、なんとなく怖くなってしまう気持ち、よくわかります。でも実は、元本割れが何なのかを正しく理解するだけで、「怖いから全部やめる」ではなく「リスクを知った上で選ぶ」という考え方に変わっていけることがあります。
元本割れって何?なぜ起きるの?
元本(がんぽん) とは、最初に投資したお金のことです。元本割れとは、そのお金が市場の値動きによって減った状態で手元に戻ってくることを指します。
投資信託(複数の株・債券・不動産などをひとつにまとめて運用する金融商品)の価格は、毎日変動します。景気の悪化、金利の変化、世界情勢の不安——こうした要因が重なると価格が下がり、投資したときより低い価格で評価されることがあります。これが元本割れです。
元本割れは、投資につきもののリスク(不確実性)のひとつ。これは事実であり、誰にでも起こりえます。大切なのは「起きるかもしれない」という現実を正直に受け入れることです。
「全部失う」わけではない——損失の規模感を知ろう
元本割れと聞くと「ゼロになるかも」と思いがちですが、個別株の倒産リスクとは異なり、多くの投資信託では完全にゼロになることはほとんどないとされています。
過去の大きな市場の下落局面(金融危機や感染症ショックのような時期)では、一時的に20〜40%程度の下落が見られた事例があるとされています。ただし、多くの場合その後時間をかけて回復してきた歴史もあります(これは過去の傾向であり、将来の結果を保証するものではありません)。
大切なのは、「一時的な下落」と「永続的な損失」を区別することです。保有したまま売らなければ、損失はまだ「確定」していません。
長期・分散・積立がリスクを和らげるとされる理由
【図】長期保有による資産価値の変化イメージ
※ 上記はイメージ図です。実際の値動きは市場・商品・経済状況によって大きく異なります。
投資の世界でよく語られる「長期・分散・積立」は、元本割れリスクを和らげる考え方として知られています。
- 長期保有: 市場は短期的に上下しますが、長い時間軸で見ると経済成長とともに回復・成長してきた歴史があります。一時的な下落があっても、売らずに持ち続けることで回復を待てる可能性があります(将来は保証されません)。
- 分散投資: 1社・1国に集中させず、複数の資産・地域に分けることで、一部が下落しても全体への影響を抑える効果が期待されます。
- 積立投資(ドルコスト平均法): 毎月一定額を定期購入する方法です。価格が高いときには少なく、安いときには多く買えるため、購入価格を「時間で分散」させる効果があるとされています。
NISAやiDeCoなどを活用した積立投資は、非課税枠を使える点でも若い世代に注目されています。※ 制度の内容・上限額等は執筆時点の情報です。最新の情報は金融庁・厚生労働省の公式サイトをご確認ください。
リスクと正直に向き合うための3つの心構え
リスクを完全になくすことはできません。でも、次の姿勢で向き合うと心理的な負担が変わってきます。
- 余裕資金だけ使う: 生活費・緊急用のお金は投資に回さない。「なくなっても生活が壊れない金額」が出発点です。
- 長期目線を持つ: 短期の値下がりで焦って売ることを「狼狽売り(ろうばいうり)」と言います。感情的な判断が損失を確定させる最大の要因になりやすいとされています。
- 「必ず儲かる」話には近づかない: 「元本保証で高利回り」「絶対安全」と謳う投資話は詐欺の可能性が高いです。正規の金融機関は「必ず儲かる」とは言いません。少しでも怪しいと感じたら、消費者ホットライン(188)や金融庁の相談窓口に連絡しましょう。
16〜18歳の方は、投資を始める前にまず親や学校のFP(ファイナンシャルプランナー)に相談することをおすすめします。
今日から始める一歩
まずは金融庁の「資産運用シミュレーション」を試してみてください(金融庁公式サイトで無料公開されています)。実際のお金を使わずに、積立の効果や市場の変動を体感できます。「なんとなく怖い」を「仕組みがわかった」に変えることが、最初の一歩です。