iDeCoって「お得」だけど、本当に自分に合ってる?
「節税しながら老後の資産が作れる」と話題のiDeCo(個人型確定拠出年金:自分で積み立てる私的年金制度)。でも実際に調べてみると、「60歳まで引き出せない」「手数料がかかる」という情報が出てきて、急に不安になった方も多いのではないでしょうか。
「若いうちから始めた方がいい」とはわかっていても、20代はライフイベントが多い時期です。本当に今、長期間お金を拘束していいのかを、始める前にしっかり確認しておきましょう。
iDeCoの最大の落とし穴:原則60歳まで引き出せない
iDeCoで積み立てたお金は、原則として60歳になるまで引き出すことができません。これは法律で定められたルールです。
たとえば、こんな場面でも引き出しは原則不可です。
- 結婚式の費用が急に必要になった
- 住宅購入でまとまった頭金がいる
- 仕事を辞めて一時的に収入が途絶えた
- 病気や事故で急な出費が発生した
これを流動性リスク(お金が必要なときに現金化できないリスク)と呼びます。20歳でiDeCoを始めた場合、60歳まで最長40年間はその資産に触れられないことになります。
【図】iDeCoの積立期間と引き出し可能時期のイメージ(20歳開始の場合)
※ 上記はイメージ図です。受け取り開始年齢等の条件は執筆時点の情報であり、制度改正により変わる場合があります。最新情報は厚生労働省・国民年金基金連合会の公式サイトをご確認ください。
もうひとつの注意点:毎月かかる口座管理手数料
iDeCoには毎月、口座を維持するための手数料がかかります。「国民年金基金連合会への手数料」と「選んだ金融機関の口座管理料」を合わせると、月あたり数十円〜数百円程度になるのが一般的とされています。
少額に見えますが、長期間積み続けるとトータルの負担は無視できない水準になることがあります。特に掛け金が少ない場合、手数料の比率が相対的に高くなる点に注意が必要です。
金融機関選びでは、口座管理料が低い・もしくは無料の機関を選ぶことが重要です。同じiDeCoでも、金融機関によってコスト面に大きな差があります。
節税メリットは「課税所得がある人」に限られる
iDeCoの最大の魅力とされる所得控除(所得から差し引いて税金を減らせる仕組み)は、所得税・住民税を支払っている人に効果があります。次のケースでは節税効果が薄くなる場合があります。
- 収入が少なく税金をほぼ払っていないアルバイト・学生
- 扶養に入っている人
自分がどのくらい税金を支払っているかを把握してから始めることが大切です。
自分に向いているか?判断のポイント整理
iDeCoが向いている人
- 安定した収入があり、毎月の掛け金を無理なく拠出できる
- 緊急予備資金(生活費数ヶ月分)をすでに別途確保している
- 課税所得があり、節税メリットを活かせる
- 老後資金を本格的に準備したい
焦らなくていいケース
- 収入が不安定、または近い将来に大きな出費が予想される
- まだNISA(少額投資非課税制度)を活用していない
- 生活費にまだ余裕がない
一般的に「引き出しの自由度が高いNISAを先に活用し、余裕があればiDeCoを検討する」という順序が取られることが多いとされています。iDeCoとNISAは目的と制約が異なるため、どちらが自分に合うかを比較して考えてみましょう。
iDeCoの掛け金上限・受け取り開始年齢等の制度内容は執筆時点の情報です。制度改正により変わる場合があります。最新情報は厚生労働省・国民年金基金連合会の公式サイトをご確認ください。
今日から始める一歩
まず家計簿アプリなどで「毎月いくらの余裕資金があるか」を確認してみましょう。生活費の数ヶ月分の緊急予備資金が貯まっているかどうかも一緒に見直してみてください。不安な点はファイナンシャルプランナー(お金の専門家)や金融機関の無料相談窓口を活用するのも一つの選択肢です。