「先輩から『2年目になると手取りが急に減るよ』と言われていたけど…本当にこんなに減るの?」。社会人1年目の給与明細を見てひと安心した矢先、2年目の6月に突然手取りが数千円〜1万円以上下がって戸惑った、という声はよく聞かれます。
その「正体」が住民税です。毎月の給与から天引きされているこの税金、仕組みを知らないままでいると損をすることも。今回は住民税の基本と、なぜ2年目から手取りが変わるのかをわかりやすく解説します。
住民税とは?まずは基本を知ろう
住民税(じゅうみんぜい)とは、都道府県と市区町村に納める地方税(国に納める所得税とは別に、住んでいる地域に納める税金)です。
住民税の特徴は、前年1月〜12月の収入をもとに計算され、翌年6月から翌々年5月にかけて分割で徴収される点です。これを「前年課税(ぜんねんかぜい)」といいます。
つまり、2024年に稼いだ収入に対する住民税は、2025年6月以降に引かれる、ということです。
住民税の計算の仕組み
住民税は大きく2つで構成されています。
- 均等割(きんとうわり):所得に関係なく、すべての人が同じ金額を納める部分(金額は自治体により異なります)
- 所得割(しょとくわり):前年収入から各種控除を差し引いた額に税率をかけた部分(税率は概ね10%程度とされていますが、自治体や控除の内容により異なります)
詳細な金額については、各自治体の公式サイトをご確認ください。
なぜ「2年目に急に手取りが減る」のか
社会人1年目は、前年(入社前)の収入がほぼゼロか、学生アルバイト程度であるため、住民税がかからないか非常に少額です。
ところが2年目になると、1年間フルで働いた収入が初めて課税対象となるため、住民税が一気に加算されます。これは制度のバグではなく、翌年課税という仕組み上、必然的に起こることです。
【図】1年目と2年目の月給手取り構成の変化(イメージ)
※ 上記はイメージ図です。実際の金額は収入・居住地・各種控除の内容によって大きく異なります。
1年目は社会保険料(健康保険・厚生年金など)と所得税のみが引かれていたのが、2年目6月以降は住民税も加わります。手取りが数千円〜1万円以上減ることがある(金額は収入・地域・控除により異なります)のはそのためです。
住民税が高いと感じたら:できること
「こんなに引かれるの?」と感じたら、以下を確認・活用してみましょう。
- 控除の申告漏れをチェック:生命保険料控除・地震保険料控除・ふるさと納税(寄附金控除)などを申告していないと、本来より多く課税されている可能性があります。年末調整や確定申告で正しく申告しましょう。
- ふるさと納税を活用する:応援したい自治体に寄附すると、住民税の一部が翌年に控除される制度です(制度の上限額・手続き方法は総務省の公式サイトをご確認ください。執筆時点の情報であり、変更になる場合があります)。
- 住民税決定通知書を確認する:毎年5〜6月頃に職場を通じて届く「住民税決定通知書」には課税の根拠が記載されています。疑問があれば勤務先の総務部門や市区町村の税務窓口、またはファイナンシャルプランナー等の専門家に相談するのが安心です。
今日から始める一歩
まず今月の給与明細を開いて、「住民税」の欄に何円引かれているか確認してみましょう。数字を知ることが、税金と向き合う最初の一歩です。2年目に入るタイミングで「あ、これが前年課税か」と納得できるだけで、不安はかなり和らぎますよ。
※ 本記事の内容は執筆時点の情報をもとにしており、税制・制度の内容は変更される場合があります。最新情報は国税庁・各自治体の公式サイトをご確認ください。