「とりあえず銀行に預けておけば安心」——そう思って、給料やバイト代をそのまま口座に入れっぱなしにしていませんか?実はその「安心感」には、少し落とし穴が隠れているかもしれません。
お金が減るわけじゃないし、別にいいじゃないか——そんな声も聞こえてきそうです。でも「名目上のお金の額は変わらない」のと「お金の価値が変わらない」は、実は別の話なんです。この記事では、普通預金の意外なリスクを正直にお伝えします。怖がらせるためではなく、「知った上で選択できる人」になってほしいからです。
普通預金の金利って、今どのくらい?
銀行にお金を預けると「利息(りそく=預けた期間に応じて銀行が支払う報酬)」がつきます。しかし現在の日本では、多くの銀行の普通預金金利は非常に低い水準にとどまっているとされています。
たとえば10万円を1年間預けても、受け取れる利息は数十円程度になるケースが多いと言われています(金融機関・時期によって異なります)。ネット銀行の中には大手銀行より高い金利を設定しているところもあるとされますが、それでも「預けるだけで大きく増える」ほどの差ではないのが実情です。
「預けているだけで安全」は本当?——インフレという見えないリスク
「減りはしないから安全じゃないか」——そう感じますよね。ここで登場するのがインフレ(物価上昇)という概念です。
インフレとは、物やサービスの値段が全体的に上がっていく現象のこと。同じ1,000円でも、今年買えていたものが来年は買えなくなる——つまりお金の「購買力(ものを買う力)」が下がることを意味します。
もし物価が少しずつ上昇しているのに、預金の利息がほぼゼロに近ければ、名目上の金額は変わらなくても「実質的な価値」は少しずつ目減りしていく可能性があります。これをインフレリスクと呼びます。
【図】普通預金の名目残高と実質的な購買力の変化イメージ(10年間)
※ 上記はインフレリスクの概念を説明するためのイメージ図です。実際の数値は経済状況・金融機関・時期によって大きく異なります。
上のイメージ図のように、普通預金の残高(名目)は変わらなくても、インフレが続くと実質的な購買力は少しずつ下がっていく可能性があります。「絶対にこうなる」わけではありませんが、「リスクゼロではない」という認識を持っておくことが大切です。
賢く選ぶための3つの選択肢
「じゃあどうすればいいの?」——いきなり投資を始める必要はありません。まずは選択肢を知るところから始めましょう。
1. 金利の高い口座と比べてみる
ネット銀行や一部の銀行では、普通預金より高い金利を提供していることがあるとされています。特定の銀行を推奨することはできませんが、「自分の口座の金利はいくらか」を確認し、他の口座と比べてみることは今日すぐできます。
2. 緊急予備資金は流動性の高い口座に確保する
どんな選択肢を選ぶとしても、生活費の数ヶ月分程度は「すぐに引き出せる口座」に置いておくことが大切とされています。「緊急予備資金(急なときに使えるお金)」を確保した上で、残りをどうするか考えるのが基本と言われています。
3. NISAやiDeCoを「知る」から始める
NISA(少額投資非課税制度=投資で得た利益に税金がかかりにくくなる制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金=自分で積み立てる年金の一種)は、若いうちから活用できる制度として注目されています。
ただし、投資である以上元本割れ(預けた額より減ること)のリスクがあります。「必ず増える」制度ではないことを忘れずに。制度の上限額・税制などの詳細は変更される場合があります。最新情報は金融庁・厚生労働省の公式サイトでご確認ください(本記事は執筆時点の情報です)。
今日から始める一歩
難しいことは後回しで大丈夫。今日はこの1つだけやってみましょう。
「自分が使っている銀行の普通預金金利を調べる」
銀行のアプリやウェブサイトを開いて「金利」と検索するだけ。数分でできます。その数字を見て「もっとよい選択肢があるかも?」と思ったら、ネット銀行や定期預金も調べてみましょう。
お金のことを「よくわからないから放置」にしておくのが、実は一番もったいない選択かもしれません。まず知ることが、あなたのお金を守る第一歩です。
16〜18歳の方や、判断に迷う場合は、親やファイナンシャルプランナーなどの専門家にも相談してみてください。